101回

  

100回目のハチ公を書き上げたら気が抜けてしまい、ふと気づけば1年半も更新していない。大リーグデビューした大谷翔平選手の大活躍を見て、前から写真は撮ってあったベーブ・ルース像を取り上げることにした(左)。ベーブ・ルースは1985年に生まれ1948年に亡くなった。「野球の神様」と言われ、最初に野球殿堂入りした選手だ。

大谷選手初勝利の翌々日にホームランを放った4月4日の夕刊に、次のような記事が載った。

勝利投手が2日以内に打者として出場した試合の初回に本塁打を記録したのは1921年6月13、14日のベーブ・ルース以来、97年ぶりの偉業となる。

この記事にあるベーブ・ルースは、13年後の1934年に日本を訪れている。11月2日から12月1日までの長い滞在だった。当時は船旅での来日。おまけに日本にはプロ野球もなかった。日本行きをしぶっていたが、熱心な薦めにのったらしい。

東京6大学チームを中心とする全日本チーム対全米リーグ選抜チーム。最初から結果は分かっているとはいえ、18度の試合で日本は1勝も出来なかった。でも、ベーブ・ルースはこの時の歓迎が忘れられず、6年後に真珠湾攻撃があった時には信じられない思いだったそうだ。ちなみに、ベーブルース来日2年後に日本でもプロ野球が発足した。

「ベーブルースは八木山球場で来日初のホームランを打ったんだよ」という話は小学生の頃から、父に散々聞かされた。ベーブルースが試合を行った八木山球場一帯は、八木久兵衛氏が開発して、昭和4年に球場を仙台市に寄付した。久兵衛氏は中学で同級生だった八木さんのご先祖さまだ。

結婚するまで仙台に住んでいたので、八木山はひとことでは言えないほど思い出がある。遠足の地、つり橋がある地、職場の新家屋が建った地、里帰りしたときに子供を連れて行った動物園・遊園地がある地。

ベーブルースが来日初ホームランを打った球場は、その後動物園に生まれ変わった。動物園の中に銅像があるという。車でないと不便な地だったが、地下鉄東西線が開通し「八木山動物公園駅」も出来て、便利になったと聞く。地下鉄乗車とベーブルース像に会うのが目的で2016年に行ってきた。

せっかく来たのだから、動物も見なきゃと象などを見ながら、像を探した。ホームランの落下地点に建っているので、分かりにくいところにある。でも説明もついていて、ベーブ・ルースが大事にされていることが分かる。ベーブ・ルースの名を知らない人もいるかもしれないが、大谷選手の活躍でこの像も脚光をあびるかもしれない。

 
来日初ホームランは1934年11月9日
続いて2号も打ったと説明にある
 
写真で見るベーブ・ルースとよく似ている像
2002年の建立


ベーブ・ルースが八木山球場でホームラン打ったときに、父が見に行ったという話は聞いてないが、父母は仙台に住んでいたのだろうと思い込んでいた。これを書くにあたって年月を確かめたら、このとき父母は東京住まいだった。それにも関わらず、仙台で打ったホームランについて何度も聞かされた。日本中が騒いだのかもしれない。

銅像シリーズの「はじめに」にも書いたように、銅像そのものよりも国内旅について触れるつもりだった。初めて乗った地下鉄東西線と動物園の写真もどうぞ。なんと八木山動物公園駅は日本一高い地下鉄駅だそうだ。もっともこの駅は地下にあるわけではない。市内を見下ろす地下鉄駅なんて、妙なものだ。

 
ガラス越しに市内が見える  日本一高い地下鉄駅の印字
 
珍しくもない象だが、この写真は私のお気に入り


(2018年4月5日 記)

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